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〔H30年度市民環境講座〕  
                                                市民環境講座  
 

 
 平成31年2月3日(日曜日)、流山エルズ(生涯学習センター)でJAXA(宇宙航空研究開発機構)と国立環境研究所の講師を招いて、市民環境講座「宇宙から見た地球の今」が行われました。展示や宇宙服の試着体験も含め約280人参加。この講座は市民団体「温暖化防止ながれやま」に委託して行う事業で、地球温暖化防止をさまざまな角度から市民の皆さんにお伝えすることを目的としています。


 
 講演前のホワイエではロケット開発や地球温暖化に関する展示と子ども用レプリカ宇宙服の試着体験もあり、特に試着は大人気で多くの家族連れが記念撮影を楽しみました。宇宙服はJAXAから借用した船外活動用のスーツで、本物は14層の生地からなり、気圧、温度の維持や酸素の供給など、小型の宇宙船と同様の機能を備えているそうです。


 
 JAXAのブルースーツで講演を行った菊池優太さんは、参加者を宇宙船「ナガレヤマ号」のクルーに見立て、ISSから見た地球や宇宙飛行士のISSでの生活などの映像を使って臨場感たっぷりに宇宙と地球の魅力を語りました。菊池さんによると、地球はさまざまな要因が奇跡的に重なった「ハビタブルゾーン」と言われる生き物が住むことができる領域にある星だそうで、宇宙を知ることで地球の素晴らしさを改めて知ることができると話してくれました



 
 質問コーナーでは「宇宙と地球だったらどっちに住みたいですか」や、「地球はいつか滅亡するんですか」などの質問がありました。菊池さんは「地球温暖化をはじめとした多くの環境問題が起こっており、選択肢の一つとして宇宙に住める時代も来ると思いますが、まずはそうならないように地球を大事にしていくことが重要ですね」と締めました。



 ペンギンの着ぐるみを身に着けた国立環境研究所の広兼克憲さんは、二酸化炭素などの温室効果ガスのおかげで地球全体の平均気温が現状の15度前後に保たれていることや、植物の光合成が夏に盛んになるため冬よりも夏の方が二酸化炭素濃度が低くなること、安定していた温室効果ガスの濃度が化石燃料を使い出した産業革命以降の150年余りで急激に上がり続けていることなど、ご本人が大学レベルの講義という内容を分かりやすく解説してくれまし
た。

 
 広兼さんが配布したキットを使って会場で行った実験は、弱アルカリ性の海水を参加者が吐く息によって酸性にするというもの。容器に入ったBTB溶液を振って色の変化を確認するものですが、参加型の実験に会場も大いに盛り上がりました。広兼さんは「地球温暖化は今も進行しつつあり、皆さんの日々の取り組みに加えて、ガソリン車から自然エネルギーを使った電気自動車にシフトするなど大きな転換が必要。これから科学を学ぶ皆さんにも期待しています」と会場のお子さんに語りました



 お待ちかねの宇宙クイズは、菊池さんと広兼さんが用意した10問によって宇宙食が30人にプレゼントされました。「これまで月面に降り立ったのは何人か」や「月まで歩いたら何年かかるか」などの難問も、講演や展示をしっかりチェックしていたお子さんたちには簡単だった様子。全問正解者には宇宙食が渡され、9問・8問正解の方々にも、広兼さんから国立環境研究所のアメニティがありました。



 
 子どもたちの宇宙に関する興味は尽きないようで、講演が終わった後のホワイエでは菊池さんと広兼さんに質問をするお子さんの姿がありました。宇宙や環境、科学の面白さが十分に伝わった講座になりました。

 
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